TOKYO!

第一幕〈インテリア・デザイン〉
生きにくいだろうな、というのが第一の感想。藤谷文子が鈍感さと繊細さ(つまりは幼さ?純粋さ?)をよく表現してるなーと思った。あと加瀬亮のうざったさ(いい意味で)。たぶんすごく彼は芸術とか表現ってことについてこだわりがあるんだろうけど、周りが見えてないところとか。これミシェル・ゴンドリーが自己投影してるんじゃ・・・?とちょっと思った。

純粋な「役に立たなきゃ!」という焦りがああいう形で表現されてるのはミシェル・ゴンドリーワールドだなぁ。面白いが、無垢すぎてちょっと共感はできない。





第二幕〈メルド〉
糞てww 
最高の不条理劇をありがとう。1番面白かった。すごく理不尽な、許しがたい暴力を振るうのに、花を抱えて素っ裸で眠る彼はいっそ愛おしい。そういう二面性って誰の中にもあるものだと思うし、それが裁判が最後のセリフにつながってると思う。監督も彼は現代に投げ出されたジキルとハイドだって言ってるし。そしてもろもろの不条理さと無垢さを表現してるドニ・ラヴァンの迫力!ケモノだね、あれは。




第三幕〈シェイキング東京〉
香川照之ばんざい!蒼井優のガーターばんざい!良々最高!
香川照之ってもっと人間くさい暑苦しい役が合うと思ってたら・・・見事にヒキコモリを演じていた。あの何も信じてない感じの目が印象的。蒼井優の親指のシーンは心温まる。彼女の無機質で排他的な演技(これってかなり難しいよね)の中で、あのシーンは映える。しかしオチがなぁ・・・。ちょっと上手いコト言い過ぎというか、下世話というか・・・。あの2人の演技力があってこそ、下世話になりすぎず終われたけど、あれ本国(韓国)の俳優さんで撮ったらと思うとぞっとしない。とにもかくにも香川照之って上手い。